ウイルスは生物か?それとも無生物か? 福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』
こんにちは。
ツナマヨの読書記へようこそ。
いよいよ緊急事態宣言が発令されてしまいました。
大変なことになってきましたね。
さて、今回の本は今ホットな話題の”ウイルス”と無関係ではありません。
ウイルスについては昔から生物か、そうでないかということを研究者の中で議論されてきました。学校の先生によると、ウイルスは生物なんだ!と主張する生物派と、いいや、そうじゃない!という無生物派が分かれるくらいだそうですね。
というのも、生物の授業で小耳にはさんだことがある方もいらっしゃると思いますが、生物には定義があります。私が習った時点では、
- 恒常性をもつ
- 代謝(エネルギー変換)を行う
- 自己複製をする
- 外界と膜で仕切られている
この4つが生物として認められるための定義でした。
ウイルスはこれらの一部の機能を持ちます。そのため、生物と無生物の間、というわけです。
では生物とはいったい何なのか?その本質について迫ったのがこの本です。
それではどうぞ。
第九回目『生物と無生物のあいだ』著者:福岡伸一
本書との出会いは、プレゼントでもらったことでした。
当時の恋人にサンジョルディの日にもらった一冊です。
そのときは18歳だったのですが、好きな人にもらった本を真剣に読もうとしすぎて、文章中に出てくる建物とか、地名とかを調べて書き込んだりしていたら、冒頭を読むだけで何時間もかかってしまって、その時は結局あきらめて全部読めなかったんですよね。笑
難しい本もその当時読み慣れていなくて、しばらく放置していました。
読み終わったのは、ほんの何か月前とかで、2020年1月に1週間程度で読みました。今思うと、ちょうどコロナが中国で発見されたごろですね。びっくり。
本書は、前述のとおり”生物とはなにか?”を本質的に探る内容となっています。
というのも生物の定義にのっとらない端くれ物がいたので、そういう議論になるわけですね。
それがウイルスというわけです。
本書では本質的な”生物とは何か?”を探るために、生物の複製つまりは遺伝についての知識を読者に伝える必要がありました。それが、過去の偉大な研究者たちのエピソードとともに、福岡伸一さんのセンスある文章で軽やかに記述されていて、非常に面白く読めました。
そこから、"生物とは何か?"という議論が繰り広げられるのですが、もうここは激アツです!!小難しい話をしているはずなのに、生物の神秘に感動してしまいます、、。
かなりウェイトが重い本ではありますが、理系でも、文系でも楽しんで読めると思いますし、新しい発見があると思います。
ぜひ読んでみてください。
p.s
本を読む楽しみを奪うのは嫌なのであまり結論は言いたくありませんが、結論としては、生物のもつ柔軟さ=動的平行が生物の本質なのだろう。ということでした。(でもおそらくこれだけではこの言葉の深さを理解しかねると思うので、ぜひ本書を読んでほしい!!)
そう、生物はすばらしい柔軟性を持っているんです。だから、私は人間がウイルスに負けるはずはないと思っています。本書を読めばそう感じるはずと思います。
はやくこの騒動が収まるよう頑張りましょう!